令和の時代に入っても事件・事故が多発し、企業のセキュリティ対策強化が改めて問われています。コストの問題もありますが、すぐに実行できることもあります。人材獲得にも影響する社員の安全対策をケース別に考えてみます。
●事故=ヒヤリハットの徹底で安全な通勤を
ヒヤリとする場面やハッとする場面を想定した、ヒヤリハット活動が社会に浸透していますが、通勤の際も注意すべきことがあります。
最近のように車が歩道に突っ込むという事故に巻き込まれないためには、なるべくガードレールのある歩道を選ぶとか、注意力が散漫になる「ながらスマホ」をしないなどの対策があります。
自転車通勤の場合は、衝突事故が最大のリスクですので、曲がり角では一旦停止して車や歩行者の有無に注意することが大事です。
●有休休暇を消化させなくても大丈夫なケース
一方、週の勤務が2日以下の従業員は最大で年7日の有給休暇しかないため、義務の対象になりません。また、すでに従業員が5日消化している場合は、促進義務は生じません。さらに欠勤が多い従業員も対象外となるケースがあるため、勤務日数はきちんとチェックする必要があります。
●事件=残業は複数人体制で
以前、牛丼チェーンの深夜ワンオペ勤務が社会問題になったことがありました。これは会社であっても、遅い時間まで1人で残業していれば危険があることに変わりはありません。やむを得ず残業をする場合は、複数名で行なう体制にすることが必要です。
また、不審者対策に関しては、インターホンをモニター付きにすることで確認が容易になります。モニターは意外に安価で取り付けられるのでおすすめです。
●詐欺=不審なメールは開かない、1人で歓楽街に近づかない
会社であっても詐欺に遭う可能性は常にあります。メールは営業上の物という場合があるので、つい開きたくなりますが、取引先からのメールはたいてい件名に社名と担当者名が記載されているはずですので、無記載であれば念のため、上司や同僚に確認してから対処するようにしましょう。
もう一つ、朝礼がある会社であれば、給料日の日に「1人で歓楽街に行かない」ように指導するのも効果的です。給料日に1人で歓楽街を歩いていれば、客引きの絶好の狙い目になります。法外な金額を請求された例のほとんどは単独行動によるものです。どうしても行きたいのであれば、同僚と複数人で連れ立つことでリスクを減らせるでしょう。
●安全な社会を目指すには
以上、おもな対策をご紹介しましたが、安全性を高めるにはこれらのことを定期的に社員に啓蒙していくことです。
ただ、事件・詐欺や事故を防ぐ対策も大事ですが、根本的にはそのようなことを起こさなくても皆が希望を持って生きられる社会になることが理想といえます。
学校での道徳教育の充実や、各自が個性を活かした仕事に就ける社会体制にする努力が、長い目で見て安全な社会の構築に繋がるのではないでしょうか。