社員やパートを雇用する上で、気を付けなければいけないのが労働災害(以下、労災)です。工場や建設現場などで働く場合、勤務中の事故に不安を覚える応募者もいるでしょう。
そこで求人を行う際、自社が取り組んでいる安全対策をアピールする必要があります。そうすることで、採用につながる確率が高くなるのです。
安全対策の有効な手段の一つ「ヒヤリハット活動」について考えてみましょう。
ヒヤリハットとは何か?
ヒヤリハットとは、「ヒヤリとした」「ハッとした」をつなぎ合わせた言葉です。事故に至る危険がある事例をあらかじめ共有することで、労災を未然に防ぐための対策を指します。
厚生労働省のホームページでは様々な安全対策を提言していますが、ヒヤリハット活動は「自主的な安全衛生活動」の一環に位置付けられています。
ほかに「KY(危険予知)活動」「安全当番制度」「4S(整理、整頓、清潔、清掃)活動」「職場安全ミーティング」などが有効な安全対策として提言されています。
ヒヤリハット活動の具体例
ヒヤリハット活動はどのような効果をもたらすのでしょうか。厚生労働省のホームページでは以下のような事例があげられています。
〔状況〕商品の仕分け作業庫で商品を運搬中、床が散水により濡れていたため、転びそうになった
↓
〔対策〕・床面に散水した時はすぐに拭き取る
・商品を運ぶときは台車を使用する
なるほど、2つの対策を実行すれば転ぶ危険は減りますね。
※その他の活動と併せ、詳細は下記厚生労働省ホームページ内「労働災害防止のために」をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/110222-1_001.pdf
大事なことは、危険な事例が起こった場合は、即座に対策を立て、周知・実行することです。
加害者になるリスクを回避するために
ヒヤリハットは、自分が事故に遭うのを防ぐだけでなく、人に被害を与えるケースの予防にもつながります。
例えばバイクを使って地域営業を行う職種の場合、あらかじめヒヤリハットマップで通学路や事故の多い箇所を把握しておけば、注意して運転することができます。
万一、子どもに怪我でも負わせれば自社のイメージダウンになるので、交通事故対策は重要です。
以上、ヒヤリハット活動の重要性について見てみましたが、工場のみならずオフィスであっても危険は常に存在すると心得るべきでしょう。
この社会は様々な職種の人たちの働きによって成り立っています。労災の危険がある労働者が安心して働ける環境を作れるよう、みんなで協力していくことが求められます。