退職を申し出た社員に対する引き止めは、問題視されることが多いです。ですが退職の申し出があったときにかける言葉や対応を工夫してみることで、退職を思いとどまらせ、人材の流失を防ぐことができる場合もあります。
退職希望者に対する引き止め
退職希望者への引き止めとしてありがちなのが、例えば「今のこの忙しい時期に辞めるだなんて非常識。もう少し頑張ってくれ。」なんていう発言です。本人は辞めたいと言っているにも関わらずこんな発言をされたら頭にきますし、これがきっかけで人事などに訴えられる可能性もあります。
また、気の弱い人ならこうした高圧的な発言を受けて退職の意思をなくしてしまうかもしれませんし、そうなると自殺などの最悪の事態へと発展してしまう可能性も出てきます。
この他、「もう少しここで頑張ったらどうか?」なんて発言もNGです。そういった発言をしても、退職の意思はなかなか動かすことはできません。
どんな引き止めが効果的なのか
引き止めの成功というと、退職の意志を伝えられる側が退職希望者に対して何かをお願いしてわかってもらうといった印象が強いのではないでしょうか。ですがもし引き止めたいと思うのなら、まずは退職を申し出てきた社員の悩みを理解しようという姿勢を見せることが大切です。
退職するということは、何かしらその会社に不満があったり悩みを抱えていたりすることが多いですから、その思いに耳を傾け、解決策を提示してあげられれば、退職を思いとどまってくれるかもしれません。
悩みがあっても話さない社員もいる
退職の意思が固い社員の場合、何か悩みがあるのかと聞いてもその悩みを話そうとしないことがあります。そういった社員は、その悩みを語ってしまうと「それを解決するから会社にいてくれ」という流れになると読んでいるからです。
ここまで意思が固いと、会社側としてはもうやりようがないということになってしまいます。
ですがその一方で、「何かあったのか?」と聞いたときに「実は…」と悩みを話してくれる社員というのは、心のどこかに「問題が解決すればこの会社に居続けてもいい」という思いがあるわけです。ですから退職の申し出を受けた側としては、そのような反応がある社員にのみ引き止めを行っていったほうが効率的かつ効果的と言えます。
もちろん、そういった社員に対してもしつこい引き止めは行ってはいけません。尊重されるべきは当然社員の意思ですから、そこを履き違えると社内の雰囲気が悪くなり退職者が相次ぐなどの悪循環に陥る可能性もあります。
まとめ
社員が話してくれた悩みによって社内の問題を知ることができます。仮にその社員が辞めてしまっても、その問題を知れたことは会社にとって財産になります。引き止めというのは時にこうした効果を生み出すこともあるのです。