企業の人事担当者は、数えきれないほどの履歴書を目にされていますよね。だからと言って、ざっと目を通すだけで終わってしまっていませんか？見るべきポイントを見落としてしまって、本当に良い人材と会う機会を逃したり、面接で大切な事を聞き逃したりしてしまっているかもしれません。そこで今回は、経験や志望動機など誰もが注目するだろう内容以外に、チェックするべきポイントを3つご紹介します。
▼ポイント1：転職の回数が多すぎないか
転職回数があまりに多い履歴書には要注意。一見華々しい履歴書に見えますが、なかなか1つの会社で仕事が続かず、採用しても同じようにまたすぐ辞められてしまう可能性があります。具体的には、20代なら3社、30代なら４社以上で経験があると、ちょっと多いですね。
また、このようなタイプには第一印象が非常に良い人が多いのも特徴です。いざ面接してみると受け答えもしっかりしており、ついつい採用したくなるほど話上手。面接ではその雰囲気に騙されず、転職回数が多い理由を必ず細かく聞くようにしましょう。
▼ポイント2：仕事の空白期間はないか
転職回数が少なくても、仕事と仕事の間に空白の期間が長い人にもちょっと注意が必要です。退職から次の就職までの期間が長いのには、必ず理由があります。単純に労働に対する意識が弱いだけかもしれませんが、家族の介護や看護にあたっていたり、本人が病気で療養していたりする可能性もあります。採用にあたって前者の場合ももちろん不安ですが、後者の場合はもっと注意が必要。ご家族や本人の状況によっては、採用後にまた働けなくなる可能性も0ではありません。面接で個人的な内容はなかなか聞き出しにくいですが、「仕事をされていない期間が長いようですが、何をされていらっしゃいましたか？」と質問することで、さり気なく生活環境を確認するきっかけにすることができます。
▼ポイント3：家族構成や本人希望欄
案外さらっと見てしまいがちな家族構成や希望条件欄には、実は重要な情報が書かれていたりします。例えば配偶者や扶養家族についてです。女性で「配偶者あり」としている場合、お子さんがいるかもしれません。土日の業務や急な残業に対応できるのかなど、「配偶者なし」の方よりも丁寧に確認しておく必要があるとわかります。
また、本人希望欄に「残業不可」、「年収●●●万円以上希望」など、待遇や福利厚生に関する希望を細かく書いている場合は気をつけましょう。そもそも求人内容とマッチしていない場合は問題外ですが、この希望がどの程度譲れないものなのか採用前にすり合わせしておく必要があります。入社後トラブルになってはお互いに時間の無駄ですから、見落とさないようにしたいものですね。
▼まとめ
履歴書といえば、どうしても学歴や職務経験、志望動機などに目がいくものです。今回ご紹介した3つのポイントは、案外注目されていません。しかし、こういう所ほど掘り下げていくと、その人の意外な人間性がわかったり、採用の判断材料となる事実が出てきたりするものです。転職者は、自分にとって不利な内容は自分から話してくれません。書類選考の際や、履歴書を見ながら面接される際の参考になれば幸いです。
