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流し読みでわかる営業力強化法(8)

流し読みでわかる営業力強化法(8)
~営業の達人-交渉力~


流し読みでわかる営業力強化法の第8回目は、「営業の達人―交渉パワーが人生を変える」(ダイヤモンド、1994年)です。

著者のギャリー カラス氏は、長年、全米で一般的な交渉セミナーと営業マン向けの交渉セミナーを開催し、1994年時点で30万人近くが受講しています。また、このセミナー・プログラムには、GM、ゼロックス、GE、IBM、モービル、エクソン、フォードなど超一流企業が多数参加して、高い評価を受けています。この著書には、相手が真に求めている満足はどのようなものか、取引会社といかにその関係を長く維持していくか、取引が望めない会社をどう切り崩していくかなど、営業にかかせないノウハウがぎっしり詰まっています。しかも、タテマエ論や現場で使えない交渉術は、意味がないとして、明日からすぐに使える戦術しか載っていません。

今回は、この著書の中から、買い手の常套手段とその対処法を紹介します。

(「善玉・悪玉」戦術)

これは、刑事の取調べでもよく使われる戦術です。まず、初めに若手のデカが激しく尋問した後で、年配のデカが優しく問いかけて、思わず「吐いてしまう」というパターンです。契約交渉などでも、初めは態度の悪い購買担当者が途轍(とてつ)もない条件を要求した後で、別の購買担当者が紳士的な態度で「妥当な」条件を提示してくることがあります。感覚的にホッとして、思わずその条件を飲んでしまいがちです。しかし、紳士的な購買担当者の「妥当な」条件も、初めの要求が高すぎたので「妥当に」みえただけで、実はかなり高い条件であることが往々にしてあります。

この「善玉・悪玉」戦術への対抗手段は、まず、先方がこの戦術を使っていることを早めに見抜くことです。そうすれば感情的にもならずに済み、後から出された条件が妥当なものかどうかも冷静に判断できます。また、態度の悪い担当者について相手先の上層部に抗議することが有効なこともあります。相手の弱みを握ることで交渉が有利に進むこともあります。

(「・・・したら、いくらになる」戦術)

これは、仮定の質問を重ねていく戦術で、買い手側が相手についての情報を集めるためによく使われる手法ですが、結果的に売り手にとっては思わぬ条件で取引させられることになりかねませんので、注意が必要です。

例えば、次のように商談が進んでゆきます。仮に鈴木商事が、ある容器を1,000個欲しいとします。「その容器を1,000個買うと、いくらになりますか。」→「1個当たり、120円です。」→「まとめて5,000個買うと、いくらになりますか。」→「1個当たり、110円です。」→「ところで、今、手持ちの在庫はどのくらいありますか。」→「2万5,000個ほどです。」→「現金ですべて引き取るとしたら、いくらになりますか。」→「もし、まとめて全部買い取っていただけるのでしたら、1個80円で結構です。」

この一連の商談で、鈴木商事は、この容器を80円で買っても売り手には利益が残ることを知ることができます。この結果、1,000個で80円に近いところに価格が決まってしまうことになるでしょう。

危ない仮定質問には、他にも次のようなものがあります。「年間契約にすれば、どれくらい安くなりますか。」「半金を前金で支払うとすれば、どれくらい安くなりますか。」「閑散期だと、どれくらい安くなりますか。」「こちらから材料を支給すると、いくらになりますか。」「○○も一緒に購入すると、いくらになりますか。」

この「・・・したら、いくらになる」戦術への対抗手段は、即答しないで、慎重に答えることです。場合によっては、どうしても返答しなければいけないか尋ねる勇気も必要です。また、こちらは逆に、相手方が本当に考えている注文数量などの取引条件を聞き出すことが大切です。真剣に考えている条件でなければあえて答える必要もないでしょう。上級者になると、この仮定質問を利用してこちらに有利な条件での交渉に持ち込むことも可能です。例えば、「年間契約にすれば、どれくらい安くなりますか。」という仮定質問に対して、「年間契約では安くなりませんが、3年契約なら割引制度があります。」と返答して、長期契約締結の糸口とするのです。

(「意図的に低い見積り」戦術)

これは、先ほどの「・・・したら、いくらになる」戦術を見積書にまで進化させた手法です。例えば、大量発注を約束した上で安い見積りを提出させた後で、実際には少量で発注するといったものです。他にも、簡単な仕様にして見積もり金額を下げさせておいて実際には複雑な仕様のものを発注したり、納期には拘らないとして見積もり金額を下げさせておいて実際には短納期で発注したり、前金で払うとして見積もり金額を下げさせておいて実際には3か月後支払いで発注したりします。

この「意図的に低い見積り」への対抗手段は、①安易に見積りを出さない、②相手の本当の取引条件を探る、に加えて、③なるべく合意書・発注書・契約書など文書の形にして、先方に捺印ももらっておくことです。上級者になると、約束違反をテコにして、こちらに有利な条件での交渉に持ち込むことも可能です。

(「競り買い」戦術)

これは、複数の業者を1か所に集めて暫く待たせた上で、1社ずつ交渉をする戦術です。ライバル達と面と向かって同じ部屋で待たせられると、いやがうえでも競争意識が過度に働くものです。通常では考えれられないような値引きをしてしまう恐れが十分あります。しかも、このような状況では、自ら値下げを提案することも珍しくありません。

この「競り買い」への対抗手段は、①値下げなどの条件を予め上司と決めておく、②自分だけ訪問時期を変更してもらう(できれば週末の午後)などが考えられます。

営業マンとしては、これらの買い手の常套手段に十分警戒して、適切に対応しましょう。一方、会社としても個人としても買い手の立場となれば、是非とも活用してみたい戦術ですね。

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