長所を伸ばすか短所を直すか?これは難しい問題です。
結論的には、これは対象によって、長所を伸ばした方がよい場合も、短所を直した方が良い場合もあります。チームプレーが必要な場合や失敗を避けないといけない場合は、一人のスーパーマンを育てるより、全員のレベルをある程度まで引き上げることの方が大切です。
ある会社での出来事です。その会社では、出荷検査の時間と精度が問題になっていました。
そこでコンサルタントを呼んで、アドバイスをもらうことにしました。まずは、コンサルタントの前で実際に、ある検査員に出荷検査を実施してみました。そのコンサルタントは、その検査員に色々と難癖を付け、アドバイスらしきものを提案しました。
しかし、実際には、その難癖は当たらず、アドバイスらしきものも実現不可能なものでした。何故なら、その検査員は会社で最も優秀な検査員であり、他社の検査員と比べても何ら遜色がなかったからです。
(コンサルタントの中には、社長の前に良いところを見せようと、実現できないようなことを偉そうにいう人もいますが、こうしたコンサルタントは2流か3流です。)
それでは、何故、その会社では出荷検査の時間と精度が悪いのか。それは、その優秀な検査員以外の検査の時間と精度に問題があったからです。
こうしたケースでまずやることは、優秀な検査員をより優秀にすることではありません。他の検査員 のレベルをその優秀な検査員のレベルにもっていくことです。
「一人の横綱より5人の小結」、これが団体戦で勝つ戦略なのです。