売上を伸ばすのに広告宣伝はかかせません。しかし、むだな広告宣伝費はかけたくないもの。そこで、今回は、広告宣伝費関係の賢い経費削減策を紹介します。
1.取扱業者を特定する
広告宣伝については、数多くの取扱業者を利用している会社が多いようです。しかし、取扱業者が多いと、1社当りの取引高が小さくなり、取扱業者は魅力を感じなくなり、良い条件で取引できないことがよくあります。このような場合には、1社に絞る方がむしろ有効です。1社に絞れば、その業者の取引高は大きくなるので、良い条件の提示が期待できるからです。
なお、広告業界では、特定の1社に絞って取り扱わせる方式はAE制(アカウント・エグゼクティブ方式)と呼ばれています。ほとんどの広告会社がAEの獲得を熱望しています。取引量の拡大が期待できるだけでなく、無駄にコンペに参加することなくなり営業経費を削減できるから、広告会社にとっては魅力的なのです。ですから、AEにしてあげるというとかなり良い条件を提示してくるはずです。会社側としても、毎回コンペや相見積もりを取る必要がなくなり、また窓口が一本化されるので、管理も事務も楽になります。
2. 取扱業者を競わせる
初めは効果のあるAE制も、油断をすると、いつの間にか料金が高くなり、サービスも低下してしまうことがおうおうにしてあります。
こうしたことを防ぐためには、定期的にAEの見直しを行うことが有効的です。
具体的には、AEの指名時に、2~3年後にAEの再指名を行い、その際に過去の実績も考慮すると宣言しておくのです。これだけでもマンネリ化を防ぐ効果があります。更に実際に他の業者をコンペに参加させます。これにより、一層条件の良い広告業者を採用できることも期待できます。
実は、このAEの見直し制は、大手の広告代理店と一流の企業(スポンサー)とでは普通に行われている手法なのです。それだけ、合理的で有効な手法という証拠でしょう。
なお、この取扱業者を競わせて特定するという方法は広告宣伝費以外の経費削減にも応用可能です。
3.営業マンの名刺の裏を利用する
初対面の人に渡すのが名刺です。初対面なので自社や自分のことをアピールする良いチャンスです。
相手もどんな会社なのか、どんな人なのかに興味があります。
また、どんな会話すればよいのかに悩むことがあります。そんな時に共通の話題があればどうでしょうか。
以前(2008年7月号)にも紹介しましたが、自分と似ている人を好きになる傾向があります(「LIKE=LIKE」理論)。つまり、自分と同じタイプの人、共通面の多い人を好きになりがちだということなのです。
したがって、相手に好かれようと思ったら、相手との類似性・共通点を探して、そこを強調することが大切なのですが、初対面でいきなり「趣味はどうですか」「出身地はどこですか」とは聞きにくいものです。ましてや「出身大学はどちらですか」と聞くのは逆効果になることもあります。
そこで名刺の裏にいろいろな情報をさりげなく書いておくのです。こうしておけば、相手の方から共通点を話題にしてくれるはずです。私の場合、名刺の裏に事業内容に加えて、自分の出身大学や経歴、資格などを記載しています。こうすることで相手に好感ももたれ、信頼を得ることができています。