景気が悪くなると経費削減や資金繰りの話題が多くなります。今回は、賢い経費削減策・資金繰り改善策をご紹介します。
（富山の薬売り方式）
富山の薬売り方式を採用することで在庫をゼロにすることができます。
在庫数量を削減したからといって直接的に会社の利益が増加するわけではありません。それどころか必要な在庫がなければ、商売のチャンスを逃してしまったり、生産が遅れたりしかねません。営業部や製造部としては、どうしても多目の在庫も持ちたがる傾向にあります。
しかし、在庫を抱えるためには資金が必要でその資金を借入れに頼るとなると、金利負担も生じます。財務部や経理部としては、できるだけ在庫を減らしてもらいたいものです。
この二律背反を解決する方法が、富山の薬売り方式なのです。
富山の薬売り方式（預託方式）では、十分な在庫又は一定数量の在庫を納入業者から預かる形をとります。そして、一定期間内（例えば１か月間や1年間）に実際に使った数量だけを購入することにします（使用高購入方式）。この方式だと、実質的には十分な在庫は維持しつつ、形式的には在庫をゼロにすることができます。
この方式は、締め日（通常、月末）に、在庫品を経理上、一旦返品処理をして、翌日に再度購入した処理をすることで、同じような効果が得られます。
支払い業者にとっても得意先確保となるので、意外とすんなり認めてくれます。私の知っている容器製造メーカーは、料の在庫にこの方式を採用しています。
（営業車で納品）
営業マンは、商品の売り込みが仕事と思い込んでいると、営業マンが納品なんてとんでもないと考えるかもしれません
しかし、運送会社や宅配業者に委託するのをやめて、営業マンが納品することで、運送費の節約になります。また、営業マンが直接納品することで、早く納品することができます。更に、取引先に伺う理由・機会になります。納品先が先方の担当者と違うこともありますが、この場合は、他部署からの情報収集をするよいキッカケになります。
私のコンサル先でも、この様式を採用して、かなり効果を上げています。
（現金割引）
現金割引を極力利用しましょう。
現金での支払いを選ぶと、数パーセントの割引をしてくれることは、よくあります。
確かに現金支払にすると、その分資金が必要でその資金を借入れに頼るとなると、金利負担も生じます。
それに比べて、割引率が2％程度では割りに合わない気もします。しかし、この2％というのは、（月末締め翌月末払いの場合で）約1か月間の金利です。これを年率に直すと、2%×12月＝24%、という金利に相当します。もし、5%の割引だと60％の金利に相当します。この金利より会社の借入れ金利が安ければ、その分だけ得をしている計算になるわけです。
それだけではありません。経理上の処理を大幅に軽減されます。月締めにすると、仕入れのチェック、未払い金・買掛金の計上から、支払いの手配、未払い金・買掛金の消し込み処理まで、かなりの作業が必要となります。現金払いにすると、こうした事務経費を節約することができるのです。
（チケットショップで回数券）
格安チケットショップでは、回数券をバラ買いできます。
例えば、新宿から長野県諏訪市に特急電車で行く場合、片道6,180円かかります。実は、あずさ回数券というトクトク切符があり、これだと６枚綴りで25,200円=1枚4200円です。この回数券の使用期間は発売から3か月です。3か月以内に6回使う予定がない場合にお勧めなのが、この回数券の格安チケットショップでのバラ買いです。チケットショップによって若干値段にバラツキがありますが、4,300円前後が購入できます。4,280円で購入できたとして、片道で1,900(=6,180円－4,280円)、往復で3,800円の節約となります。
この手法は、私は常に利用しています。ただし、この回数券は年末年始、5月のゴールデンウィーク、8月のお盆の時期などは使えないので注意して下さい。
