世の中は不況色が色濃くなってきました。こういう時こそ、「プラス思考」で乗り越えましょう。
何故なら、不景気の時は、そうでなくても考えが否定的になりがちです。否定的な考えは悪い結果を生んでしまいます。その結果、更にマイナス思考となってしまうという悪循環に陥ってしまうからです。
(プラス思考の例)
プラス思考でよく取り上げられる例に次のようなものがあります。
靴の会社に勤める2人のセールスマンが、アフリカの辺境に市場調査に行きました。そこに住む人は皆裸足でした。一方のセールスマンは、「この地には靴を履くという習慣が無いから、ここでは靴は全く売れないだろう。」と考え、会社に戻って「そこには靴を売れる市場は無い」と報告しました。他方のセールスマンは、「この地に靴を履く習慣を根付かせれば、全く手付かずマーケットを新規に開拓し独占することが出来るだろう。」と考え、会社に戻って「そこには靴の大量発注の可能性が潜んでいる」と報告しました。後者がプラス思考のできる人です。
(残っているものに意識を集中させる)
このコップのたとえは、無くなったものに意識を集中させるのではなく、残っているものに意識を集中させることが大切だとの教えでもあります。無くなったものに意識が集中すれば「喪失感」が漂い、意欲がなくなります。残っているものに意識が集中すれば安心感や満足感が得られ、意欲が湧いてきます。
「失われたものを数えるな、残っているものを生かせ」とパラリンピックの創始者であるグッドマン博士も教えています。
(落ちないリンゴ)
残っているものに意識を集中させて成功した事業例に「落ちないリンゴ」があります。平成3年、青森・津軽地方に大型台風が襲い、収穫前のリンゴの多くが木から落ちてしまいました。9割近くのリンゴが出荷できなくなり、りんご生産に見切りをつけた人もいたそうです。その中にあって、あるリンゴ農園経営者は、木に残ったリンゴを「落ちないリンゴ」と命名して、合格祈願のお守りとして、通常の10倍の値段で売り出しました。この「落ちないリンゴ」は全国的に評判になり、あっという間に完売したそうです。これぞプラス思考の威力という好例です。
(あるものに意識を集中させる)
残っているものに意識を集中させる思考は、無いものではなく、あるものに意識を集中させることにもつながります。
会社の業績が悪くなると、無いものに意識が集中しがちです。例えば、「良い人材がいない、良い商材が無い、資金が無い」といった具合です。無いものに意識が集中すると、どうしても前向きなアイデアが浮かびません。むしろ、自社にある資源に意識を集中して、これをどう活用するかということを考えましょう。コップのたとえで言えば、空気もあることも思い出して、有効活用しましょう。言い換えれば、会社の弱みに思い悩むのではなく、強みを活かす経営を目指すべきだということです。
(会議で使うプラス思考)
会議でもプラス思考が大切です。マイナス思考の会議は、暗くて重くてつまらない上に、良いアイデアも浮かびません。プラス思考の会議なら、明るく楽しい上に、良いアイデアもドンドン浮かびます。プラス思考の会議にするためには、先ず、会議のテーマから見直してください。NGなのは、「何故、○○できないのか」というテーマの設定方法です。これはマイナス思考のテーマです。一方、「どうすれば、○○できるようになるのか」とテーマを設定すれば、プラス思考のテーマとなり、建設的な意見が出るようになります。