ビジネスは問題解決の連続です。
中には、解決すべき問題をたくさん抱え過ぎて悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、効率的に問題を解決することで処理できる問題の数を増やすことができます。
(頼み事は忙しい人に頼め)
ところが、うれしい事か悲しい事か、問題解決が早ければ早い人ほど、たくさんの問題が持ち込まれる傾向にあるのです。
これは不思議なことでも何でもありません。実は、「頼み事は忙しい人に頼め」という法則があるからです。
確かに、忙しい人は能力もあり効率的に仕事を処理してくれるので、良い仕事を早く仕上げてくれるのです。私もこの方針で仕事を頼んでいます。
ところが、頼まれた方はたまりませんね。中にはオーバーワークでダウン寸前の方もいらっしゃるかもしれません。そのようなビジネスマンには特に必要な「問題の整理方法」を伝授します。
【誰の問題】
まず、自分の抱えている問題は誰の問題かを整理することが大切です。
問題は、「自分の問題」、「私達の問題」、「あなたの問題」、「彼の問題」の4つに分類できます。
「自分の問題」とは、自分だけが担当すべき問題であり、これは避けることができません。「私達の問題」は、自分も担当ですが、自分だけでなくほかにも担当がいる問題なので、ほかの人に協力又は依頼することができます。「あなたの問題」とは、自分の担当ではなく本来なら持ち込んで来た人が担当すべき問題なので、当然、断る(返す)ことができる問題です。「彼の問題」とは、本来、自分達の職務とは関係のない問題です。また、自分では、どうすることもできない問題も「彼の問題」と分類されます。こうした問題は避けるべきです。
(ニーバーの祈り)
「彼の問題」に関して有名な祈りの言葉があります。
米国の有名な神学者であるラインホルド・ニーバーが唱えたもので、ニーバーの祈りというものです。
神よ、変えることのできるものについて、 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。 変えることのできないものについては、 それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。 |
【4つの優先基準:重要、緊急、拡大、容易】
先ず「自分の問題」から取り掛かるとして、どのように優先順位を決めればよいでしょうか。一般的には、緊急度と重要度の2つの因子で考えます。
もちろん、「緊急かつ重要な問題」が最優先で、「緊急でも重要でもない問題」は後回し。悩むのは、「緊急だが重要でない問題」と「緊急でなく重要な問題」のどちらを優先するかということです。
結論から申し上げると、多くの人が「緊急だが重要でない問題」から取り掛かりますが、「緊急でなく重要な問題」にとりかかるようにして下さい。
「緊急でなく重要な問題」に取り掛かることで、やがて「緊急かつ重要な問題」を減らすことができるからです。反対に「緊急だが重要でない問題」に取り組んでいては、「緊急かつ重要な問題」が減らず、忙しさから逃れることはできません。そこで質問が湧いてくると思います。
では、「緊急だが重要でない問題」はどうすればよいのか。人に任せるか、放っておくかです。そもそも重要でない問題なので、放っておいてもたいしたことはないのです。実際、放っておくと自然に解決する問題も少なくないのです。
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緊急 |
緊急でない |
重要 |
①最優先 |
②優先 |
重要でない |
③後回し |
④無視 |