サラリーマンの皆様は、そろそろ会社から年末調整のための書類が来るころですね。
さて、この年末調整、ちょっとしたことで、もう少し控除額を増やすことができる場合もあります。今回は、そんなお話をいくつか紹介させていただきます。
① 主婦のパート収入。「収入が 103 万を超えると夫からの控除はなし」ではありません。
収入が 103 万円を超えてしまうと「配偶者控除 38 万円」が受けられなくなるというのは、巷でよく言われていることですが、実は、この 103 万円を超えても 141 万円未満までは「配偶者特別控除」というものが受けられます。
但し、控除額は収入金額が増えるごとに 38 万円から段階的に減っていき、 141 万以上になると0円となります。
☆対象となる方は、年末調整の書類を提出する際に、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に配偶者の氏名と収入金額を記入し会社に提出してください。
② 年金生活をしている田舎の親御さんに仕送りをしているという場合、以下のような条件を満たせば「同居老親等以外の者」の控除 48 万円が受けられます。
・定期的に「生活できる程度の額の仕送り」をしていることが証明できる。
・親御さん本人の年金収入が、 65 歳以上なら 158 万円以下、 65 歳未満なら 108 万以下であること。 ( 遺族年金・障害年金は計算に入れない )
・親御さんが、他のご親族の扶養家族になっていないこと。
☆対象となる方は、「扶養控除等申告書」の扶養の欄に親御さんのお名前と生年月日をご記入ください。
③ カフ控除のカフは、寡婦だけではない。寡夫もあります。
母子家庭や、夫と死別したのち再婚をしていない女性が受けられる寡婦控除は、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、意外に知られていないのが、以下の条件を満たした父子家庭が受けられる「寡夫控除」 27 万円です。
・所得が 500 万円以下であること。
・妻と死別、もしくは離婚をしたのち、再婚をしていないこと。または妻の生死がわからない一定の人であること。
・生計を一にする子供 ( 所得 38 万円以下・他の人の扶養になっていない ) がいる。
☆対象となる方は、「扶養控除等申告書」の「寡夫」に印をつけてください。
④ 寝たきりの親族を介護している場合、以下の条件を満たせば、特別障害者控除が受けられます。
・ 20 年 12 月 31 日現在、半年以上に渡って寝たきりの状態で複雑な介護が必要である。
・他の人の扶養家族になっていないこと。
例1 寝たきりの親 (70 歳以上 ) を自宅に引き取り介護している場合の親に関する控除は以下の通りです。
同居老親 58 万+同居特別障害者 75 万= 133 万円
例2 寝たきりの親族 (70 歳以上 ) を別宅にて介護している場合のその親族に関する控除は以下の通りです。
別居老人 48 万+特別障害者 40 万= 88 万円
☆対象となる方は、「扶養控除等申告書」の扶養家族の欄に寝たきりの親族のお名前・生年月日・住所を記入し、障害者等の欄の該当するところに印を付けてください。
以上、年末調整のときには、ご参考になさってください。