売上げが伸びなくなるとつい頼ってしまうのが、値下げ。
確かに、値下げをすれば、それまでの値段では来なかった利用者が新たに増える可能性が高いのです。
しかし、気をつけなくてはならないのは、その新規のお客のお陰で、馴染みの顧客の足が遠のく恐れもあるのです。
例えば、 1 泊 2 食付 3 万円が相場の高級旅館が、 1 泊朝食付 1 万円激安の価格設定をしたとしましょう。
その結果、茶髪のお兄ちゃんやガングロのお姉ちゃんも泊まるようになるでしょう。
しかし、高級で静かな佇まいや落ち着いた雰囲気を求めて何度も泊まっていた顧客は、がっくりして、泊まらなくなるでしょう。
もちろん、利益をもたらしていたのは、 3 万円で泊まってくれていたこれらのリピート客です。しかし、一度失った信用やブランドを取り戻すことは大変です。
マクドナルドがかつて 65 円バーガー という超低価格戦略をとったことがあります。この戦略は、短期的には大成功でしたが、 長い目でみると、利益体質を痛めた といわれています。
その理由の一つが、この「 悪貨は良貨を駆逐する 」現象だったといわれています。
確かに 65 円バーガーのお陰で中学生や高校生が多く来店するようになりました。しかし、その反面、中・高校生で騒がしく、しかも大混雑のマクドナルドを、ビジネスマンやOLといった優良顧客は避けるようになってしまったのです。
値下げには、こんな怖い面もあるのでお気を付けを!