「モレなくダブリなく」考えることは、問題解決法の基本です。では、どのようにすれば、「モレなくダブリなく」考えることができるのでしょうか。
代表的な方法は、「要因分解法」と「フレーム思考法」の2つです。今回は、「要因分解法」について説明します。
「要因分解法」とは、課題になっている対象について、それを構成する要因(要素)に分解して検討する方法です。
この分解方法にもいろいろありますが、代表的な方法は、「足し算法」と「掛け算法」の2つです。
【足し算法】
「足し算法」とは、課題になっている対象について、全部加えるとその対象になるように分解する方法です。その対象を縦又は横に分解していくイメージです。
例えば、売上げの増加が課題になっているとします。「足し算法」では、売上げを「地域別」とか「商品別」などの分解して考えるのです。
こうして分解すると、思わぬ地域の売上げが少なかったり、逆に予期しない商品の売上げが多かったりするものです。
そして、その地域の売上げの少ない原因を追究して改善を図るのです。ただ、これは意外と難しいものです。むしろ、予想外の売上げを記録した商品を更に伸ばす方が容易なことが多いものです。
【掛け算法】
「掛け算法」とは、課題になっている対象について、全部掛け合わせるとその対象になるように分解する方法です。
有名なものに「デュポン式ROE分析」があります。
デュポン式ROE分析では、ROE(株主資本利益率)を3つの要因の掛け算として考えます。
具体的には、「売上高純利益率」、「総資産回転率」、「財務レバレッジ」の3つです。
そして、それぞれについて、数値を上げる手段を検討するのです。こうすることで、ROEの引き上げという課題に対する対応策が、「モレなくダブリなく」リストアップすることができるようになります。