差別化のポイントを2つ紹介します。
まず、勝負する分野を決めることです。勝負する分野は、だいたい、値段か、商品のユニークさか、顧客サービスの濃さかに絞られます。
経営学的にいうと、業務の卓越性(優れた業務プロセスによって、一定品質の商品を、最良の価格で提供すること)、製品の優位性(優れた商品開発力によって、常に他社にはない画期的な商品を提供すること)、顧客との関係性(個々の顧客のニーズに対応し、最高の顧客サービスを提供すること)のどれかを選ぶということです。
3つとも狙うのは理想的ですが、現実的でも効率的でもありません。どれか1つで最も優れた企業となれば十分です。ただし、残り2つも平均的な水準は維持できるように努力しましょう。
もう一つは、相手を見ることです。戦争の場合は、相手は敵ですが、ビジネスは、むしろ恋愛のようなものです。相手には、目当ての相手と恋敵の二人がいます。
自社の強みを生かすことは大切です。しかし、その強みは、お客様(目当ての相手)が望んでいるものでなくてはなりません。私は映画に詳しいといっても、彼女は映画嫌いでは、映画に誘っても逆効果です。
また、その強みは、ライバル企業(恋敵)には獲得できないものでなくてはいけません。彼女が映画が好きであっても、ライバルが淀川長治のような映画通ではかないません。
つまり、お客様が望んでおり、自社は提供できるけれど、ライバル企業には提供できないものを見つけることが大切です。その価値あるものをお客様に提供すれば、最強の差別化となります。