経営コンサルタントというと話す技術が重要だと思われるでしょう。確かにプレゼンテーション能力として話 す技術は必要です。
しかし、最近は「きく」技術も重要になってきました。
「きく」といってもいろいろあります。ただ単にぼんやりと「 聞く 」のではいけません。身を入れて真剣に「 聴く 」ことが大切なのです。「聴く」技術は主にカウンセリングを学習することで身につきます。
さて問題は何を話してもらうかです。つまり、何を「 訊く (尋ねる)」かです。この技術は主にコーチングで学習することができますが、この技術を上手に体得できる本を紹介します。飯久保広嗣著『 質問力 ― 論理的に「考える」ためのトレーニング』(日本経済新聞社、 2003 年)
もちろん単なるインタビュー技術を説明したものではありません。
「何が最重要な問題で、そのために最適な解決策は何か」を効果的に導くための技術を説明したものです。安定して効果的な結果を得るためには、いわゆる 「勘ピューター」ではだめ で、やはり論理的な思考が大切です。
この本の副題が「論理的に『考える』ためのトレーニング」となっている所以です。
この本では、質問力のある人の質問として「どんな問題や課題があるのだろう?」、「トラブルは何故おこったのか?」、「最適な選択肢はどれだろうか?」、「実施の際は、どのようなリスクが考えられるだろう?」などを上げています。常日頃からこうした質問ができている方には読んでもそれ程は得るものがないかもしれません。
一方質問力のない人の質問として 「問題はないな?」、「トラブルの責任は感じているのか?」、「提案は 1 つに絞ってくれないか?」 などを上げています。もし、 このような質問をしている方は必読 です。