部下を上手く育てるのは上司の大きな課題、子供を上手く育てたいというのは両親の強い願いでしょう。
今日は、人を上手く育てる簡単なテクニックをご紹介します。育てたい人に対して幾つかの質問を投げかけるだけです。
部下を上手く育てるのは上司の大きな課題、子供を上手く育てたいというのは両親の強い願いでしょう。
今日は、人を上手く育てる簡単なテクニックをご紹介します。育てたい人に対して幾つかの質問を投げかけるだけです。
名付けて「 GROW (成長する・育む)」モデル。といっても私が考え出したわけではありません。GROWモデルは元カー・レーサーの英国のジョン・ウィットモア卿が最初に提唱したものです。実は、GROWというのはコーチングのプロセスの各要素の頭文字です。具体的には
■ G OAL(目標)
■ R EALITY(現状)
■ O PTIONS(選択肢)
■ W ILL(意思) です。
つまり、この順番に沿って、質問をすればよいわけです。
それぞれのプロセスと効果的な質問をご紹介しましょう。
■GOAL(目標)
まずは目指すゴールが何であるかはっきりしなければ、どちらの方向に向かって進めばよいかがわかりません。つまり、目標の明確化が大切です。目標が明確になってこそ、やる気も起き、持っている能力を十分に発揮できるというものです。
目標の明確化にとって大切なのは、できるだけ「外部基準化」することです。外部基準化とは、目標を立てた本人だけでなく、外部の人にも、目標が達成されたかどうかはっきりとわかる基準とすることです。つまり、外部基準化とは客観的な目標、数値化された目標とすることです。「いつまでに」「何を」「どれくらい」「どうする」ということを明確にさせましょう。例えば、「 2006年12月までに体重を5kg減らす」というと目標が明確になりますね。
目標を明確させると同時に、目標を達成したときには、どうなっているか、何を手にしているかなどのイメージを膨らませ、達成した時のビジョンや・報酬・評価なども明確にすることが大切です。そうすると、その目標を達成したいという気持ちが強くなり、達成したいという気持ちが長続きします。
《質問例》
・今一番達成したい事はどんなことですか?
・三年後に、どんな自分になっていたら満足ですか?
■ REALITY(現状)
GOAL(目標)が明確になれば、次に現状をキチンと把握させます。
目標(ゴール)と現状が明確になれば、両者の間のギャップ(差)はハッキリします。
《質問例》
・その目標に対してどこまで近づいていますか?
・その目標に対して、今、どこまで進んでいますか?
■ OPTIONS(選択肢)
次に目標と現状のギャップを埋める解決策(方法 /手段)について選択肢を考えさせます。選択肢というくらいですから、どれかを選択できるように2つ以上の解決策を考えさせることが大切です。
《質問例》
・これまでに一番うまくいった方法にはどういうものがありますか?
・ライバルが使っている方法で良いものはありませんか?
▼選択肢を考える上で助けになるのが、資源です。資源には、自分自身の知識、経験、能力など内部資源と資金、人脈、専門家など外部資源があります。
《質問例》
・その件について、一番詳しいのは誰ですか?
・その件について、誰かからアドバイスを受けることはできませんか?
■ WILL(意思)
いくつかの選択肢が出揃ったら、次にその優先順位を考えさせます。優先順位を付ける基準には、重要性、緊急性、容易さなどがあります。また、それぞれの選択肢について、メリット・デメリットを考えさせることも大切です。
《質問例》
・優先順位が一番高いのは、どれですか?
・まず、どこから手をつけましょうか?
・一番、やりやすいものから始めるとしたら、どれですか?
▼最後に、こうして選ばれた解決策(方法 /手段)をチャンと実行する意志を確認します。その際に、これも目標と同じく「いつまでに」「何を」「どれくらい」「どうする」ということを明確にさせましょう。
《質問例》
・○○は、いつまでに達成するつもりですか?
・○○は、どこまでやる予定ですか?
※実際に上手く実行されるかどうかのカギは、外部への経過報告、上手く実行されたときのビジョン(褒美)、協力態勢です。
《質問例》
・途中で進捗状況を報告しますか。それはいつにしましょうか?
・これをやり遂げたら自分にどんなご褒美をあげましょうか?
・これを上手く達成できたら、どんな気持ちになりますか?
・これを成功させる為に、私に何か出来る事は有りますか?
(最後に)
コーチングには、セルフコーチングやピアコーチングというものもあります。
セルフコーチングとは文字通り自分自身が本人に質問することです。
ピアコーチングとは夫婦など仲間(ピア)がお互いに質問することです。
お正月休みにでも、先ずはセルフコーチングやピアコーチングから始めてはいかがでしょうか。