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「ほしいものが、ほしいわ。」:トートロジー&循環論法

中小企業診断士 富永秀和
TEL 03-6789- 2387
e-mail: info@globalance.co.jp
http://www.globalance.co.jp/

今回も、頻繁に使われている誤った論証方法について紹介・解説をします。

《ほしいものが、ほしいわ。》
これは、コピーライター糸井重里氏が西武百貨店のポスター用に考えたキャッチコピーです。
女優 宮沢りえ がイケメンと今にもキスをしそうなポスターが池袋のSEIBUデパートの壁面いっぱいに貼られたことも話題になりました。





時代はバブル絶頂期(1988年)、既に成熟消費社会に突入し、市場には多種多様な商品が氾濫していました。その中で、企業により人工的に作り出された欲望やニーズに踊らされることに疲れた大衆が本当に自分の望むものが欲しいという悲鳴を表したコピーなのでしょう。そして、西武百貨店では貴方が本当に欲しいものだけを揃えているというメッセージなのでしょう。
宣伝広告用の文章としては、空前絶後の秀逸なコピーといって過言ではないでしょう。しかし、この文章は、論理学上はトートロジー(同義反復又は/類語反復)に分類され、意味のない文章の典型とみなされます。 「白馬とは白い馬である」と同様に同じことを繰り返しているに過ぎないのです。

「ほしいものが、ほしいわ。」はシンプルな文章での「同語反復」の例ですが、2つの述語からなる同義反復もあります。例えば、「本を借りたいから、本を貸してほしい」というのも「同義反復」です。「本を借りたい」も「本を貸してほしい」も同じ様な意味だからです。

(循環論法)
トートロジー自体は、無意味というだけで、間違いとはいえません。しかし。このトートロジー的文章を論証として用いると「循環論法」という誤った論証方法となってしまいます。
例えば、①「私に本を貸してほしい。何故なら、私は本を借りたいからである。」という論証は、典型的な「循環論法」です。この論証には②「私は本を借りたい。何故なら、私に本を貸してほしいからである。」という論証が続きます。そして、また①の論証が続くことになるのです。つまり、永遠に循環してしまうのです。
本来は、①の論証において、後半の文章は、前半の文章(結論)の根拠・理由となるものでなくてはなりません。しかし、実際には理由ではなく、同じことを繰り返しているのに過ぎません。故に、結論の正しさを何ら証明していません。このような稚拙な文章は、裁判など論理的な説明が要求される場面では全く役に立ちません。

(心理学的には有効)
ところが、実際の日常生活においては、この非論理的な「循環論法」が頻繁に活用されています。そして、それは確かに有効なのです。というのは、心理学的には、何も理由を述べないよりは、無意味なものでも理由があるほうが、はるかに承諾してもらいやすくなることは立証されているからです。


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