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経営/人生に役立つ映画-第12回-

中小企業診断士 富永秀和
TEL 03-6789- 2387
e-mail: info@globalance.co.jp
http://www.globalance.co.jp/

今回は「経営/人生に役立つ映画」の第12回で、今回も「スーパーの女」を紹介します。「スーパーの女」には、経営に役立つ場面が数多くあります。今月は、価格戦略についてお話します。


1.安売り大魔王(ライバル)の価格戦略
安売り大魔王の価格戦略は、基本的には、ライバルを市場から追い出す目的をもって行う略奪的価格設定戦略です。
つまり、当初は、徹底した低価格戦略を実施します。その目的は、正直屋などのライバルを疲弊させて、撤退又は買収することです。
それにより地域独占を達成した後は、値上げを実施して、高価格戦略に戦略転換する予定です。
低価格戦略といっても様々なものがあります。お客様に喜ばれるのは、ユニクロやニトリに代表されるような「良いものを安く」提供するグッドバリュー型の低価格戦略です。しかし、実際には、「安かろう悪かろう」といったエコノミー戦略型の低価格戦略を採る企業も多いようです。一方、安売り大魔王は、顧客を騙すような詐欺まがい型の低価格戦略を採用しています。井上花子(宮本信子)のセリフによると「100円の物を50円で売っているなら安いって言えるけど、この店は30円の物を50円で売っているだけだよ。」といった価格戦略なのです。
略奪的価格設定戦略を成功させるためには、仕入れ価格を下回るほどに極端に低い価格を設定すべきなのですが、安売り大魔王の場合は、低価格戦略を実施しつつも、短期的にも利益を出そうとした結果、中途半端な価格戦略となってしまいました。その結果、消費者の信頼を失い、略奪的価格設定戦略は失敗に終わることになります。


2.かつての正直屋の価格戦略
花子が現れる前の正直屋には、価格戦略と呼べるようなものは存在しませんでした。品揃えも価格設定も現場に任せっきりです。その結果、スーパーにも拘わらず、高級和牛肉をそれなりの価格で(つまり、高価格)で売っている始末です。しかも、この売れもしない高級和牛肉が売場の一番いい場所を占領しているのですから、タチが悪いわけです。売場の一番いい場所には、スーパーなら一番売れる合挽肉を陳列すべきなのです。
3.変革後の正直屋の経営戦略
花子のアドバイスで正直屋の価格戦略もグッドバリュー型の低価格戦略に変化していきました。


(全品10%値引きのセール)
まず、花子は全品10%値引きのセールを提案しました。10%割引というのはインパクトが小さく思われがちですが、普段は値引きされない商品が値引きされると、顧客は非常に購買意欲がそそられるのです。また、こうした全品値引きをすることで、回転率の悪い商品も売れ、長期在庫の処分にもなり、長期在庫によるロスを防げる効果も期待できます。驚くべきことに、この映画が封切されて数年後も、大手スーパーは現実に全品消費税還元セールや全品10%オフセールをやって売上を伸ばしたのです。


(午前中からの値引き)
また、花子は、売れ残りそうな198円の白菜を午前中から129円へ値下げして販売する提案をしました。
スーパーにとっては、商品の回転率が高いと(売れて在庫を補充する頻度が高いと)、鮮度の高い商品が売場に並ぶので、顧客に与える印象が良くなります。正直屋では、顧客が山積みの野菜を奥から引き出して買ってたように、鮮度に関して顧客の印象が悪い状態でした。そうした悪印象を払拭する意味でも、商品の回転率を高くするために、午前中から大幅値下げするのは有効な手段でした。実際、売れ残りも減るので、値引きをしても全体の利益を上げることができました。


(引換券の配布)
ある日「正直屋」のチラシに「卵1パック88円・先着1,000名様限定」と表記すべきところを「卵1パック28円」と表記した広告(制限数もなし)を出すというミスを起こしてしまいました。
当然、客が押し寄せて大騒動となります。この時、花子は卵が品切れになる前に機転を利かして、1パック28円の引換券(一週間有効)を配布しようと提案しました。
単に売り切れ扱いにすることもできましたが、それでは、数量の少ない目玉商品で集客している商法(おとり商法)を実施している安売り大魔王と同じになってしまいます。それより花子は「損して得とれ」の精神で消費者を勝ち取る方を選んだのです。
こうしたグッドバリュー型の低価格戦略の結果、それまでは他のスーパーで買物していた「正直屋」のパートさん達も、「正直屋」で買い物をするようになりました。

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