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経営/人生に役立つ映画-第11回-

中小企業診断士 富永秀和
TEL 03-6789- 2387
e-mail: info@globalance.co.jp
http://www.globalance.co.jp/

今回は「経営/人生に役立つ映画」の第11回で、「スーパーの女」を紹介します。
「スーパーの女」は1996年に日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した、伊丹十三が脚本・監督を務めた作品です。


(あらすじ)
小林五郎(津川雅之)が専務取締役を務めるスーパー「正直屋」の近くに「安売り大魔王」というライバル店が出店しました。「安売り大魔王」は食料品を中心としたディスカウント・スーパーです。五郎は、ライバル店が気になり、「安売り大魔王」の店頭を視察しに行きます。そこで、演じる幼なじみの井上花子(宮本信子)と再会します。
五郎は、正直屋に花子を連れて行き、評価をしてもらったところ「このスーパー、もう少しで潰れるね。」と言われてしまいます。


その後、五郎は安売り大魔王の社長(伊東四郎)から正直屋の買収を提案されます。買収に反対の五郎は、花子の協力を得て、正直屋の再建を目指し、様々な困難を乗り越えていきます。
そして、運命の初売りの日を迎えます。





「スーパーの女」には、経営に役立つ場面が数多くあります。まずは、経営戦略についてお話します。


1.安売り大魔王(ライバル)の経営戦略
短期的には、徹底した低価格戦略で売上を伸ばし、正直屋などのライバルを疲弊させる。中期的には、ライバルを撤退又は買収して、地域独占を狙う。そして、地域独占を果たした後は、値上げを実施して、暴利を貪る戦略です。
この戦略は、サンキスト・レモンが日本進出の際に実施したものと似ています。
レモンというと米国のサンキストが有名ですが、品質的には国産の方が優れています。例えば、私の故郷の瀬戸内海・中島産のレモンの糖度は9.4であったのに対して、サンキスト産が8.2、香りもサンキスト産より中島産の方が優れていました。
品質で勝てないサンキストは価格戦争を仕掛けてきました。輸入レモンを、国産レモンの5割から3割程度の価格にしたのです。これほどの価格差があると、味や香りに優れた中島産レモンも勝ち目はありません。止むを得なく、レモン栽培から撤退して、レモンの木も伐採しました。すると、途端に価格を上げてきたのです。レモンの木を育てるのには時間がかかります。しかも、レモンの果実が販売できるようになると再び低価格戦略を採られるかもしれないと思うと、レモン栽培に手を出す気にはなれません。こうして、サンキスト・レモンは、この世の春を謳歌(おうか)したのです。


2.かつての正直屋の経営戦略
花子が現れる前の正直屋には、経営戦略と呼べるようなものは存在しなかった。ただ、漫然と商売を続けていただけだった。そのため、徹底した低価格戦略という明確な経営戦略を持った安売り大魔王の出現によって、多くの顧客はライバルに流れてしまいつつあった。


3.変革後の正直屋の経営戦略
五郎は正直屋の将来像について花子と相談をして、「日本一お客様の立場に立つ店」を目指すことに決めます。
そして、従業員に次のように宣言した。「これから大切な話をしますので、よーく聞いてください。今日から、わが社の方針を一新します。今後、わが社では鮮度の悪い物は一切売らない。これをもって、わが社の方針とします。」
素晴らしい方針説明だと思います。「日本一お客様の立場に立つ店」というのは、従業員には抽象的でわかりにくいですが、「鮮度の悪い物は一切売らない」なら具体的で分かりやすいです。また、「するべきこと」より「してはいけないこと」を決めた方が効果的なのです。
この経営戦略の結果、どのような正月を正直屋が迎えたかは、是非、映画をご覧になってください。

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