部下が問題を起こしたときには、注意しなくてはいけません。注意しなければ、問題と認識できなかったり、これ位は許されると解釈されるおそれがあるからです。
ただし、注意するといっても怒ってはいけません。叱らなくてはいけません。「叱る」ことと「怒る」こととは似て非なるものです。「叱る」というのは、相手のためを思って心に余裕があって行える行動です。一方、「怒る」というのは、感情の赴くままに感情を爆発させた状態です。
では、どのようなときに怒るという感情が爆発した状態になるのでしょう。
「自分のいうことを真剣に聞いていない。私のことを軽くみている。」という気持ちから怒りが発生することが多いのです。つまり、自尊心が傷つけられたという思いが怒りに繋がるのです。
ですから、部下が問題を起こしたときには、先ず、自分の過剰な自尊心を抑えて、心に余裕をもって叱ることを心掛けてください。
「怒りのほとんどは過剰な自尊心から発生する」ということは、クレーム対応にも役立ちます。つまり、傷ついた相手の自尊心を回復させることで、クレーマーの怒りを消すことができるのです。具体的には「私は貴方のことを大切に思っています」という気持ちを持って接することです。