集中力を高め、ミスも少なくするには、どのようにすれば良いでしょうか。
私が勧めていたのは、仕事の割り振りです。集中力を要する仕事は集中力がある時間帯に行うというものです。私の場合、集中力が高いのは、時刻としては午前中、時間帯としては休憩直後です。したがって、重要な文章の見直しなどは、その時間にまとめて行います。逆に集中力が落ちる夕方や休憩前には、単純作業など、それほど集中力を必要としない業務に充てます。
休憩後は、集中力が高まりミスが少なくなることなどから、仕事の生産性も高まるようです。
実際、定期的に休憩を取る方が全体的な仕事の効率が良くなるようです。ある調査では、ヨガを20分実施することで脳の機能が飛躍的に改善することが示されています。また、理想的な労働方式として、60分の作業と15分の休憩の繰り返しを勧める人もいます。
私も集中力が低下したときには、お茶やコーヒーを飲むなどして気分転換を図っています。トータル的には、作業効率は上がっているのでしょうが、会社員の頃には「お前は気分転換に充てる時間が長いな」と上司から冷やかされたものです。
実際、会社の経営者となり人を雇用する立場になると、休憩ばかりしている人を見ると「チャンと仕事しているのか?」と疑いたくなってしまいます。
そんな我々に朗報があります。短期間で集中力を増す方法があることがわかりました。
それは、緑を40秒間見つめること、です。
最近、豪メルボルン大学のケイト・E・リー氏らが150人の学生を対象に調査を実施した結果、視線を外に向けて緑/自然を40秒間眺めるだけで、集中力が増すことがわかったのです。
具体的には、学生達を2つグループに分けて、まずは両グループ共、コンピューターの画面に応じてキーを押すという、単純で退屈な作業をしてもらいました。その後、40秒の休憩に入ります。一方のグループには、花咲く緑が広がるグリーンルーフ(緑化屋上)の写真を見てもらい、他方のグループには、むき出しのコンクリートの屋上の写真を見てもらいました。休憩後、作業を再開しました。すると、前者のグループの方が、ミスも少なく集中力も増して作業をこなしたという結果が得られたのです。
つまり、休憩としては、緑/自然を眺めさせることが効果的であること、時間としては40秒間でも十分に効果があることがわかったのです。しかも、本当の自然を見せることが望ましいのでしょうけれども、写真でも効果があることもわかったのです。
更に、緑を見た後は、他の人を手伝うという思いやり度も高まったそうです。ギスギスした人間関係になっている職場には特にお勧めですね。