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値上げによる「顧客離れ」は怖くない?

中小企業診断士 富永 秀和
TEL03-6789- 2387
e-mail info@globalance.co.jp
http://www.globalance.co.jp/

原材料価格の高騰や消費税の引上げなどが進む中、コストを自社の販売価格に転嫁することが各社においてなかなか進んでいない昨今。おそらく怖いのは顧客離れでしょう。この問題に対する処方箋を提示いたしましょう。

1.販売数量が増加する場合
値上げすると、顧客が離れていくと心配するのは普通のことですが、実際には、値上げしたことで販売数量が増加することもあります。
例えば、あるデパ-トでは、本当に上質なシューズを相場より安く販売したのに売上が伸びないで悩んでいたところ、値上げをしたら、売上が急増したそうです。
価格には、シグナル効果があり、高いものは品質が良く、安いものは品質が悪いと判断されてしまいがちなのです。
このシューズの場合、価格が安いために品質に疑いをもっていた客が、価格を上げたところで安心して購入するようになったわけです。
なお、このシグナル効果は、製品の品質の判断が難しい商品に特に顕著です。

2.販売金額が増加する場合
値上げすると客が離れていき、販売数量が減少するのは当たり前のことです。
しかし、販売数量が減少しても、販売金額(=売上高)が減少するとは限りません。
例えば、10%の値上げの場合、数量ベースの落ち込みが10%未満であれば、金額ベースでは売上は増加します。
この程度の顧客離れは心配無用です。
むしろ、この程度の顧客離れに抑えるように、日頃から商品管理や顧客管理をしておくことが重要なのです。

3.粗利金額が増加する場合
顧客離れが激しく、金額ベースで売上が減少する場合でも、粗利ベースでは、利益が増加することも少なくありません。特に原価率の高い商品では十分に考えられます。
例えば、価格1,000円の商品の原価が800円(原価率80%=粗利率20%)で、1,000個販売されているとしましょう。売上高は100万円で、粗利額は20万円です。
この商品を1,100円に値上げしたところ、販売数量が800個に落ち込んだとしましょう。
この場合、売上高は88万円と12%の大幅ダウンです。しかし、粗利額は300円×800個=24万円と20%の大幅な増加となります。
このように原価率の高い商品の場合、値上げが収益改善に与える影響が非常に大きいので、少々の顧客離れなら恐れるに足らないのです。

4.粗利も減少する場合
粗利も減少するほどの顧客離れが発生することもあります。この場合は、値上げはお勧めできません。
むしろ、値下げを検討してみて下さい。値上げにより顧客が大量に流失するのであれば、値下げでお客が大量に流入する可能性もあります。かつて、牛丼の吉野家やマクドナルドが実施して大成功した戦略です。ただし、この戦略は、やがて他者も追随してきて、消耗戦に陥る危険があります。
どうしても値上げの必要がある場合は、同じ価格で数量を減らすなどの工夫が必要でしょう。または、一回の値上げを少額に抑えて、少しずつ値上げすることも、顧客離れを抑えるには有効です。

【価格戦略は短期的戦術】
しかし、中長期的には、価格戦略だけでは限界があります。やはり、新たな収益源を見つけるような戦略が必要でしょう。 例えば、ベビー用おむつの技術を元に介護用おむつの商品開発を行った企業や、洗剤を小分けして発展途上国の市場開拓をした企業などが良い参考になるでしょう。



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