2013年7月号(No.111号)で「give and take ? a revolutionary approach」の紹介をしました。自分で翻訳をしてみたいほど気に入った本でした。案の定、今年2月に訳本(GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代)が三笠書房から出版されました。早速、購入して読んでみました。そこで、今回は、この書籍のエッセンスを紹介します。
1.関心の四類型
原著者のグラント氏は、関心の対象(自己/他人)と強弱で人間を四つタイプに分類しました。
他者の利益を喜べず自分の利益にしか興味がない人もいます。いわゆる利己主義者です。
最近は、自分の利益にも他人の利益にも興味がない人は多いようです。いわゆる無気力者です。
他人の利益に関心がある人々は、自分の利益への興味の有無で、二つのタイプに分類できます。
他人の利益のみに関心があり自分の利益には興味が無い人は、自己犠牲的な利他主義者です。
他人の利益にも関心があり自分の利益には興味がある人は、利多主義者です。利多主義者は、利他主義者と異なり、自分の利益を犠牲することはありません。
原文では、利己主義者はselfish、利多主義者はotherishとなっていました。Otherishはselfishを意識した造語です。そこで私も、利他主義を意識した造語(利多主義)を作成しました。なお、訳文では、他者志向者と訳されていましたが、ピンとこないと思い、利多主義者と訳すことにしました。
関心の対象 | 他社利益 | ||
◎ | × | ||
自己利益 | ◎ | 利多主義者 | 利己主義者 |
× | 利他主義者 | 無関心者 |