年末に「ゴジラ」の愛称で親しまれた松井秀喜選手の現役引退が発表されました。実は松井秀喜選手の誕生日は6月12日で、私と同じなのです、しかも同じ寅年同士。という訳で私はゴジラファンでした。そのゴジラが引退とはチョッピリ寂しい気持ちです。そして、ゴジラは、暫く、毎日が日曜日の「サンデー毎日」となるわけで、そこは羨ましいですね。実は、会社の方針として「サンデー毎日」を推進している企業があるので、今回は、その会社を紹介します。
その会社とは、丁度、3年前の「ジョイント通信」で紹介した「セムコ社」というブラジルに実在する会社です。
この会社の代表者であるセムラー氏が2003年に出版した書籍の題名がずばり「THE SEVEN-DAY WEEKEND」です。邦題は「奇跡の経営－一週間毎日が週末発想のススメ」です。
その書籍が出版される少し前に「チーズはどこへ消えた?」という題名のビジネス本が世界的に大流行していました。セムラー氏は、その題名に引っ掛けて「週末はどこへ消えた？」と問掛けから持論を展開しています（以下、「奇跡の経営」（岩元貴久訳）から引用）。
「週末はどこへ消えたのか? 土曜日と日曜日といえば、本来は休息をとり、リラックスして、元気を回復するオアシスのはずです。それが今日の週末ときたら、携帯電話で呼び出され、Eメールが送られ、ファックスが床の上に束になってたまる状況です。もう大切なパラダイスは、消えうせました。今はまるで「毎日、仕事に迫われる一週間の世界へようこそ」といった具合です。
そんな中でわたしは、あるすばらしいアイデアを思いつきました。そして、そのアイデアを経営の現場で、何年もの間、テストを繰り返し、その有効性を検証し続けてきました。
そのアイデアとは、「一週間毎日が週末発想（Seven-Day Weekend）」です。今日のように、大切な週末を、仕事に侵食されるのとはまったく逆で、貴重な遊びの時間やプライベートな時間、家族との時間を、平日の仕事の時間に持ち込むのです。それをわたしは「一週間毎日が週末発想」と呼んでいます。
これは、決して実現不可能な絵空物語ではありません。十分実現可能なことです。実際に、わたしが経営するセムコ社では、それが実現できています。セムコ社は，あなたが抱く会社のイメージと、まったくかけ離れた会社です。」
実際、このセムコ社では、なんと社員が自分で自分の給料を決めています。また、社員は、自分の労働時間をいつ働くかだけでなく、どれだけ働くかも自分で選ぶことができます。標準作業を定めていなければ、業務フローもありません。品質管理部門も人事部もありません。
このセムコ社は、ブラジルで学生に最も人気の高い企業だそうですが、納得ですね。
私が驚いたのは、倒産の恐れさえあった中小企業のセムコ社が、この経営方針で急成長を遂げ、6年という短期間で売上が3，500万ドルから2億1，200万ドルに増加し、従業員数も3，000人を超える程に大幅増加したことです。
